
こんにちは、トットです。今日は、知らなくても困らないけど、知るとちょっと楽しいお話です。
WordやExcelなどで書類を保存するときに押す、あの四角いマーク。よく見ると、上に細長い切り込みがあって、下に小さな四角がついています。あれが「何の絵」なのか、ご存じですか?

あの四角の正体は「フロッピーディスク」
あのマークの正体は、フロッピーディスク。ひと昔前のパソコンで使われていた、手のひらサイズの四角い記録メディアです。プラスチックのケースの中に薄い磁気ディスクが入っていて、パソコンの差し込み口に「カシャッ」と入れて、書類や写真を保存していました。

保存ボタンにこの絵が使われたのは、当時の保存先がまさにフロッピーだったから。「保存する=フロッピーに書き込む」だったので、そのまま絵になったわけです。

「見たことない…」という方も、いまや多数派かもしれません。
どのくらい入るの?
いちばん普及した3.5インチのフロッピーに入るデータの量は、約1.44MB(メガバイト)。今のスマホで撮った写真は1枚で数MBありますから——

今のスマホの写真は、1枚も入りません!
それでも当時は、文書ファイルなら何十個も入る、頼れる存在でした。大事なデータをフロッピーに入れて、鞄で持ち歩く。それが当たり前の時代があったのです。
見たことがないのに、毎日見ている
フロッピーディスクは、2011年3月に国内最後のメーカーだったソニーが販売を終了して、お店から姿を消しました。ところが、絵のほうはそのまま「保存」の意味で生き残りました。実物を見たことがない世代も、毎日どこかでフロッピーの絵を押しているわけです。
ちなみに日本では、行政手続きの一部で「フロッピーで提出すること」という決まりが最近まで残っていました。これが全て撤廃されたのは、なんと2024年。当時のデジタル大臣が「フロッピーディスクとの戦いに勝利した」と宣言して、話題になりました。

道具は消えても、マークは残ったんですね。
ちなみに余談
せっかくなので、「記録するモノ」の移り変わりを、ざっと眺めてみましょう。
コンピュータの黎明期に使われていたのは、紙に穴を開けて情報を記録するパンチカード。続いて、テープレコーダーのように巻き取って読む磁気テープの時代が来ます。そして本日の主役フロッピーディスクが登場し、その後はCDやDVD、USBメモリやSDカードへ。パソコンの中身も、円盤が回るハードディスクから、動く部品のないSSDへと世代交代しました。
そして今、多くのデータの保存先はクラウド。手元の機械ではなく、ネットの向こうにある大きなコンピュータに預ける形です。紙の穴から始まった記録の歴史は、とうとう「手元にモノがない」ところまで来ました。それでも保存のマークは、フロッピーのまま。なんだか不思議ですね。
まとめ
身の回りには、こういう「本物を見たことがないのに、意味は通じる絵」が意外とあります。電話アイコンの受話器、カメラアプリのレンズの絵……どれも、道具のほうが先に引退して、絵だけが現役です。
今度どこかで保存ボタンを見かけたら、「これ、フロッピーっていうんだよ」と誰かに教えたくなるかもしれません。
アイコンの由来の話は、電源ボタンのマークって、なんの形?(丸が切れているのには理由がある)でも書きました。

そのときは、保存も忘れずに、ですよ!
参考: ソニー「3.5型フロッピーディスク販売終了のお知らせ」 / 行政手続きでのフロッピーディスク利用撤廃(2024年)に関する報道


