銀婚式・金婚式——結婚記念日の名前は、なぜ「材料」なのか

銀婚式ってなぜ「銀」? 結婚記念日の名前は、材料の順
トット
トット
やあ、トットだよ。結婚25年で銀婚式、50年で金婚式。じゃあ1年目は? 答えは「紙婚式」。紙から始まって、木、錫、銀、金、ダイヤモンド……。よく見ると、名前がぜんぶ「材料」なんだ。なんでだろう?

結論:年数とともに「硬く、貴重に」なる材料を並べている

結婚記念日の名前を年数の順に並べると、はっきりした法則があります。1年目は紙、2年目は綿、3年目は革、5年目は木。10年目で錫(すず)という金属になり、15年目に水晶、25年目に銀、50年目に金、60年目でダイヤモンドです。

年数 名前 材料
1年 紙婚式 紙
2年 綿婚式 綿
3年 革婚式 革
5年 木婚式 木
10年 錫婚式 錫(すず)
15年 水晶婚式 水晶
20年 磁器婚式 磁器
25年 銀婚式 銀
30年 真珠婚式 真珠
35年 珊瑚婚式 珊瑚
40年 ルビー婚式 ルビー
45年 サファイア婚式 サファイア
50年 金婚式 金
55年 エメラルド婚式 エメラルド
60年 ダイヤモンド婚式 ダイヤモンド
70年 プラチナ婚式 プラチナ
日本でよく使われる呼び名。本や国によって少し違います

安くて柔らかく、破れやすいものから始まって、年を重ねるほど硬く、壊れにくく、貴重なものになっていく。夫婦の関係が年月とともに強く、価値あるものになっていくことを、材料の順番で表しているわけです。もともとはイギリスの習慣で、日常の安い品物から高価で長持ちする品物へ、という並びだったとされています。

トット
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最初にあったのは銀と金だけ。ほかの年の名前は、あとから足されていったんだよ。

はじまりはドイツ。最初は「銀」と「金」だけだった

この習慣はドイツで始まり、ヨーロッパに広まったと言われています。TIME誌の記事によると、18世紀のドイツでは、結婚25年を迎えた妻に友人たちが銀の花輪を、50年には金の花輪を贈る習慣があったそうです。もともとはこの二つの節目だけでした。銀婚式は1624年、金婚式は1860年に最初に行われたとする記述もありますが、細かい年代は諸説あります。

1年目から順に名前をつけた長いリストは、そのあとで作られたものです。19世紀後半のイギリスで広まり、20世紀に入ると本に一覧が載るようになり、1920〜30年代にはアメリカの宝石小売業の団体が全国共通のリストを作った、とTIME誌は書いています。宝石や貴金属の名前が多いのは、そのあたりの事情もありそうです。ですから、25年目と50年目だけ名前がよく知られていて、途中の「綿婚式」や「磁器婚式」はあまり聞かない、というのは、歴史の順番そのままなのです。

日本に来たのは明治27年、明治天皇の銀婚式

日本では、明治天皇と昭憲皇太后が1894年(明治27年)3月9日に「大婚二十五年祝典」を行ったのが最初とされています。これをきっかけに、銀婚式・金婚式を祝う習慣が一般にも広まりました。130年ほど前の話です。

ちなみに、日本で実際に広くお祝いされているのは、今もほぼ銀婚式と金婚式です。途中の年の名前は、宝飾品を贈る文化と一緒に少しずつ知られるようになったもので、国や本によって呼び名が違います。「35年は珊瑚婚式」「45年はサファイア婚式」など、細かい部分は諸説あり、と思っておくのが安全です。

数え方は「満」で。結婚した日から丸1年で1周年

結婚記念日は、結婚した日から丸1年たった日が1周年です。2001年9月3日に結婚したなら、2026年9月3日が25周年=銀婚式。西暦・和暦変換ツールの「生年月日・記念日」に結婚した日を入れると、「今年で25周年=銀婚式!」のように今年の節目と、次の記念日がいつかが出ます。誕生日を入れれば還暦や米寿の年も出るので、家族のお祝いをまとめて確かめられます。

ちなみに余談

還暦(60歳)などの長寿のお祝いは、もともと「数え年」で祝うものでした。生まれた時点を1歳と数える方式です。一方、結婚記念日は最初から「満」で数えます。同じお祝いごとでも、年の数え方が違う理由は、長寿祝いが古い日本の習慣で、結婚記念日が明治以降に西洋から入った習慣だから。そのあたりの話は還暦はなぜ60歳?——干支がひとまわりして「暦に還る」に書いています。

もう一つ。60年のダイヤモンド婚式の先には、70年のプラチナ婚式があります。20歳で結婚して90歳。届く人はそう多くありませんが、名前だけは用意されています。

まとめ

  • 結婚記念日の名前は、紙→木→錫→銀→金→ダイヤモンドと、年数とともに「硬く、貴重に」なる材料の順
  • もとはドイツの習慣で、最初は25年の銀と50年の金だけ。ほかの年は後から足された
  • 日本には1894年(明治27年)、明治天皇の銀婚式をきっかけに広まった
  • 途中の年の呼び名は国や本で違う(諸説あり)。数え方は結婚した日から満で数える

紙から始まって、ダイヤモンドまで。材料の順番に、そのまま年月の重みが込められています。

トット
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うちは今年、何婚式だろう? って、ツールに結婚した日を入れてみてね。

出典:Wikipedia「結婚記念日」/TIME, “Classic Anniversary Gifts by Year: History of a Tradition”(2017)

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